
「静かな夜」
1人っきりの静かな夜に描いたイラストです。この部屋は生死をさまよう場所。しかし怖い場所ではありません。穴の中は宇宙、ここへ落ちていくとキラキラ輝く星になることができます。扉からは希望の光が差しており、ここからわたしたちの生きる現実世界へ戻ることができます。
生きているとどうしようもなくつらいことに突然出会うこともあるだろうし、少しずつ少しずつつらさが積み重なって気づいたらそのつらさがとても大きくなっていることもあると思います。この時のわたしは後者で、1人っきりの静かな夜に、なんだかふと生きていることが苦しくなりました。これからも終わりの見えない毎日を生きていくのがとても怖くなって、どこか遠くに消えてしまいたいと思いました。どうにかこの夜を乗り越えるために、このイラストを描きました。
でも、もしかしたら、また頑張って生きていたら何かいいことがあるかもしれない。まだ出会っていない素晴らしい景色がどこかにあるかもしれない。ほんの少しだけ残っていた希望を、扉から差し込む光で表しました。
2023.11